A.投資法人の組織運営に係るリスク
B.投資法人の制度に係るリスク
C.証券投資に係るリスク
D.税制に係るリスク
A. 投資法人の組織運営に係るリスク
イ. 役員の職務遂行に係るリスク
投信法上、投資法人を代表してその業務執行を行う執行役員および執行役員の業務を監督する監督役員は、善良な管理者としての注意義務(以下「善管注意義務」といいます。)を負い、また、法令、規約および投資主総会の決議を遵守し投資法人のため忠実に職務を遂行する義務(以下「忠実義務」といいます。)を負います。しかし、職務遂行上、本投資法人の執行役員又は監督役員が善管注意義務又は忠実義務に反する行為を行った場合は、結果として投資主が損害を受ける可能性があります。
ロ. 会計監査人選任に係るリスク
投信法上、投資法人には会計監査人を設置し(投信法95条)、投資主総会の決議によって会計監査人を選任する必要があります(投信法第96条)。証券投資法人は、設立されている数が少ないことかつ未公開株式が組みいれられているという特殊性から、現在、証券投資法人の会計監査人に選任されているのは大手監査法人1社しかありません。今後、会計監査において、監査法人の繁忙等の理由により会計監査人の選任が一時的、恒常的に困難となった場合、本投資法人の上場廃止、解散、登録取り消しが発生する可能性があります。当該事項が発生した場合は、投資主が損害を受ける可能性があります。
ハ. 投資法人の倒産リスク
本投資法人は、一般の法人と同様に、その資産を超える負債を有する状態となる可能性があります。本投資法人は現行法上の倒産手続として破産法(大正11年法律第71号、その後の改正を含みます。)、民事再生法および投信法上の特別清算手続に服します。本投資法人につき、これらの倒産手続を回避する為の特別の制度や保証はありません。
本投資法人におけるこれらの法的倒産手続により、投資主が損害を受ける可能性があります。
ニ. 投資法人の登録取消リスク
本投資法人は、資産の運用を行うために投信法に基づき投資法人としての登録を受けていますが、一定の事由が発生した場合、係る登録を取り消される可能性があります。登録が取り消されると、本投資口の上場が廃止され、本投資法人は解散することになります。本投資法人が解散し、清算する場合には、投資主は、当初の投資金額の回収を期待できない可能性があります。
B. 投資法人の制度に係るリスク
イ. 業務委託に係るリスク
投資法人は、資産運用以外の行為を営業としてすることができず、使用人を雇用することはできません。資産の運用については、「資産運用会社にその資産の運用に係る業務の委託をしなければならない」こと(投信法第198条第1項)となっており、また、投信法には、投資法人が、「資産保管会社にその資産の保管に係る業務を委託しなければならない」こと(投信法第208条第1項)となっています。

また、資産運用会社、資産保管会社および一般事務受託者の業務遂行は適正に行われることが必要であるため、投信法上、これらの者はそれぞれ、投資法人に対して善管注意義務を負い、また、投資法人のため忠実義務を負いますが、そのいずれかが職務遂行上善管注意義務又は忠実義務に反する行為を行う場合には、結果として投資主が損害を受ける可能性があります。

本投資法人の規約に記載されている資産運用の対象および方針等の基本的な事項の変更には、投資主総会の承認が必要ですが、資産運用会社の投資戦略委員会は、より詳細な投資方針を定める資産運用ガイドラインを、投資主総会の承認を経ることなく、変更することが可能です。そのため、本投資法人の投資主の意思が反映されないまま、資産運用ガイドラインが変更される可能性があります。

そのほか、資産運用会社、資産保管会社および一般事務受託者のそれぞれが、破産又は会社更生手続その他の倒産手続等により業務遂行能力を喪失する場合においては、本投資法人はそれらの者に対する債権の回収に困難が生じるおそれがあり、更に資産運用会社、資産保管会社および一般事務受託者との契約を解約し又は解除することが求められることがあります。そのような場合、本投資法人は、投信法上、資産の運用、資産の保管および一般事務に関しては第三者へ委託することが義務付けられているため、日常の業務遂行に影響を受けることになります。また、委託契約が解約又は解除された場合には、新たな資産運用会社、資産保管会社又は一般事務受託者を選定し、これらの者に対して上記各業務を委託することが必要とされます。しかし、本投資法人の希望する時期および条件で現在と同様又はそれ以上の能力と専門性を有する第三者を選定し、上記各業務および事務を委託できるとの保証はなく、そのような第三者を速やかに選定できない場合には、本投資法人の収益等が悪影響を受けるおそれがあります。また、適切な資産運用会社を選定できない場合には、東京証券取引所の「ベンチャーファンドに関する有価証券上場規程の特例」により本投資口が上場廃止になる可能性もあります。
ロ. 資産の運用に係わるリスク
投信法上、投資法人は、資産の運用行為しか行えず、また資産運用会社にその資産の運用に係る業務を委託しなければならないため、本投資法人の資産の運用成果は、資産の運用に係る業務を行う資産運用会社の業務遂行能力に依拠することになります。資産運用会社についての主なリスクは以下のとおりです。
(i) 資産運用会社の運用能力に係るリスク
資産運用会社は、金融商品取引法(昭和23年法律第25号、その後の改正を含みます。以下「金融商品取引法」といいます。)で定める金融商品取引業者であり、投資法人に対して誠実かつ公正にその業務を遂行する義務(誠実義務、金融商品取引法第36条)、忠実義務(金融商品取引法第42条第1項)、善管注意義務(金融商品取引法第42条第2項)を負いますが、資産運用の結果に対して何らの保証を行うものではありません。また、資産運用会社は金融商品取引法の定め(金融商品取引法第29条)により投資運用業の登録を行っており、その信用力の維持には一定限度の制度的な裏付けがありますが、投信法はその運用能力まで保証するものではありません。

本投資法人が資産の運用に係る業務を委託しているSBIアセットマネジメント株式会社(「資産運用会社」)と締結している資産運用委託契約においては、本投資法人が資産運用会社に対して3ヵ月前までに書面をもって解約の予告をし、投資主総会の決議を経た上で資産運用委託契約を解約することができること、また資産運用会社が職務上の義務に反し又は職務を怠ったときおよび資産の運用に係る業務を引続き委託することに堪えない重大な事由があるときは、本投資法人が役員会の決議を経て資産運用委託契約を解約し、資産運用会社を解任することができる旨規定されています。本投資法人は、これらの規定により運用能力の不足する資産運用会社を解任することができますが、他方、本投資法人は、投信法上、資産の運用に係る業務を資産運用会社に委託しなければならないため、解任するまでに後任の資産運用会社の選定が必要になります。かかる選定に時間を要することがあり、その期間中は、能力不足と判断された資産運用会社による運用資産の運用が続くことになります。また、後任の資産運用会社が適切な運用能力を有することが保証されているわけでもありません。それらの場合には、投資主に損害を与える可能性があります。
(ii) 資産運用会社の行為に係るリスク
融商品取引法において金融商品取引業者の業務遂行に関しての禁止行為準則が詳細に規定されています。

 具体的には、資産運用委託契約の締結又は解約に関し、偽計を用い、又は暴行若しくは脅迫をすることおよび勧誘するに際し、投資法人に対して損失の全部又は一部を補てんする旨を約束すること(金融商品取引法第38条の2)、特定の金融商品、インデックス又はオプションに関し、投資法人のための取引に基づく価格、インデックス値、数値又は対価の額の変動を利用して、資産運用会社自身又は投資法人以外の第三者の利益を図る目的をもって、正当な根拠を有しない取引を行うこと、通常の取引の条件と異なる条件で、かつ当該条件での取引が投資法人の利益を害することとなる条件での取引を行うこと、投資法人の運用として行う取引に関する情報を利用して、資産運用会社自身の有価証券の売買その他の取引を行うことおよび投資法人の資産の運用としての取引により生じた投資法人の損失を補填し又は投資法人の利益に追加するため投資法人又は第三者に財産上の利益を提供すること(金融商品取引法第42条の2)等の行為が禁止されています。

 また、資産運用会社の「親法人等又は子法人等(当該資産運用会社の総株主等の議決権の過半数を所有している者、その他金融商品取引法施行令(昭和40年政令第321号、その後の改正を含みます。)で定める者)」の利益を図るため、「投資法人の資産の運用の方針、投資法人の純資産の額又は市場の状況に照らして不必要と認められる取引を行うこと」等が禁止されています(金融商品取引法第44条の3第1項)。ここに「親法人等又は子法人等」とは、本投資法人の資産運用会社の子会社であるSBIファンドマネジメントカンパニーエスエー、親会社であるSBIホールディングス株式会社ならびにその子会社等が含まれます。

 このように、資産運用会社は、投資法人の利益を第一義的に考慮して忠実に業務を遂行する義務を負うことから、投資法人の利益と相反する可能性のある資産運用会社の「親法人等又は子法人等」や資産運用会社自身の利益を図るため、投資法人の利益を害する取引を行うこと等が禁止されています。

 また、資産運用会社に特定資産(指定資産を除く。)の価格等の調査を一定の専門家(弁護士、公認会計士、又は監査法人等)に行わせる(投信法第201条、投資信託及び投資法人に関する法律施行令(平成12年政令第480号、その後の改正を含みます。以下「投信法施行令」といいます。)第124条)ことで、価格の公正さを確保し、投資判断の決定プロセス等に客観性・公明性を持たせる体制をとっています。

 しかしながら、資産運用会社が、上記の資産運用会社としての行為準則に反し、又は法定の措置を適正に取らない場合には、投資主に損害が発生するリスクがあります。

 そのほか、本投資法人の資産運用会社に関し、その株主、その役職員の出向元企業又はその関係会社等といった関係者が、本投資法人の運用資産について、その取得又は運用に関する取引に関与する可能性があります。また、投信法上、資産運用会社自身による投資活動は禁止されておりません。そのような場合、上記のとおり、投信法により一定の行為が禁止され、その結果、本投資法人、ひいては投資主の利益が害されないように法的な規制はなされていますが、個別具体的には、実質的にはどのような基準でこれらの取引がなされた場合に投信法の規制が遵守されたかが一義的には明らかではなく、従って、結果として資産運用会社が自己又は第三者の利益を図るため、本投資法人の利益を害することとなる取引を行わないとの保証はありません。

 資産運用会社では、上記リスクを回避するため、金融商品取引法の定める親法人等又は子法人等との取引およびこれに準ずる取引について、資産運用会社の社内規程である投資委員会規程、コンプライアンス規程等に基づき、資産運用会社の投資戦略委員会およびコンプライアンス委員会において審議することで、利益相反の可能性のある行為に対して十分な対応をとることとしていますが、上記リスクを完全に排除できるとの保証はありません。

 なお、投信法上、資産運用会社は、複数の投信法人等の資産運用を受託することを禁じられておりません。投信法は、このような場合に備えて、資産運用会社が、その資産の運用を行う投資法人相互間において取引を行うことを原則として禁止する等の規定を置いており、また、当該資産運用会社が利益相反の問題に対処するための自主的なルールを策定することも想定し得ます。しかしながら、資産運用会社が将来において、本投資法人とは別の投資法人等の資産運用を受託した場合には、当該投資法人等と本投資法人との間に利益相反の問題が生じ、本投資法人の利益が害される可能性がないという保証はありません。

C. 証券投資に係るリスク
イ. 株価変動リスク
株価変動リスクとは、株式市場が国内外の景気、経済、社会情勢の変化、企業業績、市場需給等の影響を受け下落するリスクをいいます。本投資法人は、株式等に投資を行いますので、株価は日々変動します。また、未公開株式等も第三者機関の評価を採用することを原則としていますので、企業業績の悪化等によりその評価額が減額される可能性があります。
ロ. 金利変動リスク
金利変動リスクとは、金利変動により債券価格が変動するリスクをいいます。一般に金利が上昇した場合には、債券価格は下落します。また、金利水準の大きな変動は株式市場に影響を及ぼす場合があり、本投資法人の純資産額の変動要因になります。
ハ. 信用リスク
信用リスクとは、発行体が財政難、経営不振、その他の理由により、債券等の利息や償還金をあらかじめ決められた条件で支払うことができなくなるリスク(債務不履行)をいいます。 一般に債務不履行が生じた場合又はそれが予想される場合には、債券およびコマーシャル・ペーパー等の短期金融商品の価格は下落し、本投資法人の純資産額が下がる要因となります。
ニ. 未公開株式投資リスク
未公開株式は財務基盤や事業基盤が弱い会社も多く、一般的に信用リスク、倒産リスクは上場株より高くなっています。また、未公開株式の売買は一般的に当事者間の交渉による相対取引にて行われるため、上場株より流動性が低く、売却まで長い時間がかかることがあります。また、その売却価格は当初購入価格に比べて相当程度低くなる可能性があります。また、上場株に適用される開示その他投資家保護の要求事項が適用されない場合があります。
ホ. 派生商品投資リスク
先物、オプションなど派生商品取引には価格変動リスクがあります。本投資法人は、現物資産の価格変動リスクを回避するために有価証券や金利の先物、オプション取引を行う場合がありますが、現物資産との価格変動の相関関係が同じでないこと、現物資産とのレバレッジが生じる可能性があることなどから損失が生じる可能性があります。
ヘ. 取引先リスク
有価証券の貸付等において、取引先リスク(取引の相手方の倒産等により契約が不履行になる危険のこと)が生じる可能性があります。
ト. その他のリスク
その他予測不可能な事態(天変地異、戦争等)が発生した時などには、本投資法人で投資している上場株式等について市場の混乱により市場価格の大幅に下落したり、金融商品取引所の取引停止等により有価証券の売買が不可能になったり、売買代金の受渡しに関し障害が発生するリスクがあります。また、本投資法人で投資している上場企業及び未公開企業の価値が大きく毀損するリスクや一時的に本投資法人の運用方針に基づいた運用が出来なくなるリスクなどがあります。
D. 税制に係るリスク
イ. 利益の配当等の損金算入に関する課税の特例の適用に関する一般的なリスク
租税特別措置法第67条の15は、一定の要件(注)(以下「利益配当等の損金算入要件」といいます。)を満たした投資法人に対しては、投資法人と投資主との間の二重課税を排除するため、利益の配当等を投資法人の課税所得の計算上損金に算入することが認められています。本投資法人は、係る要件を満たすよう継続して努める予定ですが、今後、本投資法人の投資主の減少、分配金支払原資の不足、法律の改正その他の要因により利益配当等の損金算入要件のすべてを満たすことが出来ない可能性があります。かかる場合、利益の配当等を損金算入することが出来なくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に悪影響をもたらす可能性があります。
(注)一定の要件の主たる事項は以下の通りです。
(i) 利益の配当等の額が配当可能利益の額の90%超であること。
(ii) 他の法人の株式又は出資の50%以上を有していないこと。
(iii) 事業年度の終了時において投資主の1人およびその特殊関係者により発行済投資口総数    および議決権総数の50%超を保有されている同族会社に該当しないこと。
(iv) 国内募集の割合が50%を超える旨が投資法人の規約において記載されていること。
(v) 事業年度の終了時において発行済の投資口が50人以上の者によって保有されていること。
ロ. 会計処理と税務処理との乖離により90%超支払配当要件が満たされないリスク
利益配当等の損金算入要件のうち、配当可能利益金額あるいは配当可能額の90%超の分配を行うべきとする要件(以下「90%超支払配当要件」といいます。)においては、会計処理と税務上の取扱いの差異により生ずる法人税等の額によっては、90%超支払配当要件を満たすことが出来なくなる可能性があります。
ハ. 税務調査等による更正処分のため、90%超支払配当要件が満たされないリスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、税務当局との見解の相違等により過年度の課税所得計算について税務否認等の更正処分を受けた場合には、過年度における90%超支払配当要件が満たされなくなるリスクがあります。このような場合には、本投資法人が過年度において損金算入した分配金が全額否認され、投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に悪影響をもたらす可能性があります。
ニ. 同族会社に該当するリスク
利益配当等の損金算入のうち、事業年度終了時に同族会社に該当していないこと(発行済投資口の総口数の50%超が上位1位の投資主グループによって保有されていないこと)とする要件については、投資口が市場で流通することにより、本投資法人の意思にかかわらず、結果として満たされなくなるリスクがあります。係る場合、利益の配当等を損金算入することが出来なくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額に悪影響をもたらす可能性があります。
ホ. 税制変更に関するリスク
有価証券、投資事業有限責任組合およびその他本投資法人の運用資産に関する税制若しくは投資法人に関する税制又は係る税制に関する解釈が変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。また、投資口に係る利益の配当、出資の払戻し、譲渡等に関する税制が変更された場合、本投資口の保有又は売却による手取金の額が減少する可能性があります。
ヘ. 投資口を保有する投資主について本投資法人のコントロールがおよばないリスク
税法上、投資法人の利益配当等の損金算入要件として、事業年度終了の時において発行済投資口が50人以上の投資主によって所有されていること、又は、租税特別措置法に規定する機関投資家のみによって所有されていることが規定されています。しかし、本投資法人は投資主による投資口の売買をコントロールすることができないため、投資口を所有する投資主が50人未満になる可能性があります。